シャトー文雅

日本人の舌にあわせた文雅流フレンチとおもてなし

佐賀市大和町、長崎自動車道の佐賀大和インターを降りたところ、田園風景の中にそびえたつお城のような白い洋風の建物がシャトー文雅。到着するとすぐ室屋昭二社長が出迎え、自ら館内を案内してくれました。
2020年8月、コロナ禍真っ只中でウエディングや宴会が減っている中でも、それでも「下見にこられるお客様もいるから」と会場はテーブルコーディネートまでフルセットで揃えられ、明日結婚式が行われるのかと錯覚してしまうほど。
レストランやカフェの入り口でもお客様に挨拶と気配りを欠かさず、お客様も「こんにちは」と笑顔を返し入っていく。お客様を大切にしているのが伝わってきます。シャトー文雅の歴史とその歴史が育んだ味の秘訣を伺いました。


お客様の暮らしの中にあるお店

コース料理の種類の多さに驚きました。食後のコーヒーやパンも込みでちょっとずつ色々食べられる 小皿コース12皿3000円〜、フルコースは 6000円、8000円、10000円〜。 「小皿コースも最初からあったわけではないですよ」。来店目的に応じて毎回異なるコースをオーダーされる常連さんが多いそ うです。
お祝いのときにはフルコース、お友達と集まるときには小皿コースを。お孫さんと三世代でこられるときには、お孫さんは小皿コース、お父さんはステーキがメインのコース。また、「今日は旅行帰りにちょっと食べたくなって」とカレーだけを食べにくることも。
皿数が多いと大変ですねというと、「常に人員に余裕をもたせるようにしています、サービスが追いつかなくなるのは絶対にダメ。非常に効率は悪いけど、おもてなしを大切にする、それが文雅流です」と室屋社長。

文雅はカレーがおいしいと地元でも評判

「コース料理では最後のデザートの前にカレーを召し上がっていただきますが、(お腹がちょうどいっぱいになるように)サイズを聞くようにしています」。 文雅にとってカレーは特別なもの。 お店ができた当初は来客が伸びず、創業者の田島一漱氏がカレーの有名なお店で修行した経験を生かし、「そんじょそこらにはないすごいカレーを」と研究を重ね、一般的なカレーが200円だったときに800円で出すようなカレーを作った。もちろん高いが、それがヒットして行列ができシャトー文雅の名前が知られるように。
レストランでカレーをオーダーすると、豊潤なスパイスの香りとともに大きなお皿に軽く盛られたバターライスと別添えでカレールーとお代わり用のバターライスが。レストランで食べると食器やスタッフの気遣いで特別なおいしさのスパイスも加わります。

カレーに込めたこだわりそのままカレー缶に

「20年位前に、すぐ近くに缶詰工場があったのですよ。当時は厨房でカレーを作り、鍋ごと持ち込んで缶詰に加工してもらっていました」懐かしそうに語る室屋社長。 カレー缶が生まれて約20年、ビーフシチュー缶も約10年になります。
「文雅のカレーは、まず甘みがきて後からスパイスが来るように作っています」。甘さの元は、大量のたまねぎやにんじんをあめ色になるまでしっかり炒めること。
そこにスパイスと小麦粉を入れて、焦げないギリギリまでしっかり炒めて香ばしさを出す。
「何年やっていても見極めが難しいです」。 さらにそれを鶏と牛骨からとるフォンブランという出汁で伸ばして仕上げる。文雅のカレー缶も原材料や製法へのこだわりは同じで、お店で食べるその味と同様の味わいが自宅でも楽しめるとあって、お中元やお歳暮にも人気。
一方、和牛の美味しさが味わえるビーフシチュー缶は、お店で出しているビーフシチューをさらに誰でも食べやすいように少しアレンジを加えている、と教えてもらいました。

30年以上前に生まれたドレッシング、まかないから生まれたものも

カレー缶も先進的だが、さらにすごいのは約35年前に商品化されたドレッシング。夏野菜が不作だった年に、良い野菜はきゅうりやトマトしかなく、少しでも野菜の魅力を高めるために生まれたのがゴマドレッシング。まだ一般的ではない時代で「ゴマドレッシングを日本で最初に作ったのは文雅だと思う」というのもうなずけます。
現在ドレッシング6種とソース1種を販売。和風ドレッシング誕生のきっかけも、料理人たちがまかない用にと醤油を加えて和食にあうドレッシングを作ったレシピが好評でそのまま商品化したと、とってもユニークです。
「ドレッシングって今ではいろんなメーカーさんが出されていますが、香りというか、手作りの味というのは必ずわかると思います」。シャトー文雅のドレッシングは要冷蔵。熱を加えないで香りまで味わってもらいたい、一番おいしい状態をと気持ちを込めて。

最高のおもてなしはフランスから・・・

店名のシャトーは、南フランスにあるシャトーホテルに由来。田島氏が泊まったときに感動して「ものすごく居心地がよく、ここのようにわざわざ遠くから足を運んでもらえるようなお店にしたい」と店名に込めました。そんな創業者の想いを引き継ぎ、約50名いる社員と一緒に、一流の料理やサービスを提供するため奔走する室屋社長。その高いレベルを保ち続けるためにも、シャトー文雅のスタッフはほぼ全員が正社員です。
創業からここまで一緒に歩んできた地元のお客さまに加えて、近年では全国から来店するお客さまも増加。これからもこの地でお客さまと共にお客さまのためのシャトー文雅を追求していきます。

インタビューしたお店

シャトー文雅
URL:https://www.bunga.jp
佐賀県佐賀市大和町久池井2592-1
営業時間
【レストラン】
ランチ 11:30~15:30 (L.O. 14:30)
ディナー 17:30~22:00(L.O. 20:30)
フレンチ鉄板をご予約の際はその旨をお伝えください。
【パティスリー】 11:00~20:00
【ウエディング】 10:00~21:00
店休日
毎週火曜日 (祝日の場合は翌日に振替)
毎月第2、第4月曜日 (祝日の場合は営業)
Tel:0952-62-5444